診療案内

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診療科目について

診療科目について

診療科目について

当クリニックは、こころに関する症状を専門に扱う心療内科、精神科です。私たちは日頃、周囲の人間関係への気遣いや配慮、時に過酷な職場での労働等多くのストレスを生じさせる環境の中で、それぞれに適応を図りながら生活を続けています。さらにそうした無理が長く続くと時に、不眠や抑うつ気分、過度の体調不良などのこころの疲れによる症状を生じやすくなるのです。

症状の考え方

1.症状の考え方

症状の考え方

私たちは多くの場合、自己責任という社会的価値観から圧迫され、自分に無理を強いて生きています。その結果、体の不調があっても、自分の努力や実力不足のせいだと考えます。不眠、抑うつなどの症状に対しても同じように「努力不足から」とか「気持ちが弱いから生じるのだ」というように、ますます自分を責める考え方になっていきます。同時に、「こころの疲れ」に対しても無自覚になってしまうのです。この状態を過剰適応と呼び、これを放置し続けると、体調、症状は徐々に悪化していきます。

真の原因は何でしょうか。実は症状の原因は、自分の側だけにあるのはでなく、自分の生い立ちや周囲の価値観、職場の仕事の状況、経済的事情や環境因(上司、同僚、家族、地域の人との関係性)など、他の人々との関係性の中にあることがほとんどです。症状というのは、それらの問題点を警告するサインなのです。
このサインに気づき、「こころの疲れやこころの訴え」を認識することが、症状を改善する第一歩となります。

症状の考え方
きっかけとなる症状

2.きっかけとなる症状

きっかけとなる症状

大事なことはこころの悲鳴に気づくことです。気づかず長引くと、時に症状がさらに悪化します。ここではそうした目印となるいくつかの症状を上げています。

  • □疲れていてもかえって眠れない
  • □寝ても疲れが取れず、朝早く目が覚める
  • □朝起きられないぐらい疲れを感じ、毎日やる気が出ない
  • □休んでも元気がでなくて休日も横になっていることが多い
  • □心配や焦り、こだわりから抜けられない
  • □常に先に不安な気持ちがある
  • □自分でも嫌になるが、イライラして気持ちをうまく抑えられない
  • □突然、動悸や息苦しさが生じる。検査では何ともないといわれる
  • □本人の気づかない物忘れが多い
  • □対人関係で緊張して、うまく話せない
  • □他の人の視線が気になり、外に出るのも怖くなる。常に悪口を言われている気がする
  • □家庭で、子供や家族のことをわかろうとしても、余裕がなく、対応できない

このような症状が一つの目印となります。特に不眠には気を付けてください。多くのこころの病気の始まりは、不眠から始まるものが多いからです。身体の不調に気付いて、病院にかかるように、こころのケアも早めの受診をおすすめします。
受診して何もなければ、少し安心して自覚しながら様子を見ていけばいいのです。

きっかけとなる症状
治療について

3.治療について

治療について

こころの問題は、目に見えません。ですから顔の表情、態度、言葉など表面に現れるものから、実際のこころの奥は推測するしかありません。本来多くの時間を要する仕事です。
しかし、それを補ってくれるものもあります。多くの貴重な現場での臨床経験です。長年、多くの試行錯誤を繰り返しながらも掴み取ってきた実績があります。
多様な悩みを持つ患者さんを数多く診察する中で、実はその全ての症状やタイプが異なるのではなく、ほとんどがいくつかのパターンに分類されることが分析できています。

情報として、患者さんの親子関係、育ち方、生活歴、性格傾向、環境、態度をある程度知ると、ほぼこころの奥が見えてきます。時に本人が語る以上に、こころの奥を察することができます。(無意識的行動も生活習慣に基づくものが多いです)それが私の考えるこころの医療の基本です。
そこでは「抑圧」が最大のテーマです。不都合なことは意識に上らないのです。その抑圧の負荷が症状を生み出します。この抑圧の理解は、こころの診療にとって最も重要なテーマです。

結果として治療の問題は、本人の認知(物事の考え方、判断)の在り方と考える内容を、どのように整理するかにあります。
通常は過剰適応や、強い思いこみ(実は過去からつながっているものなのです)があり、真の原因、事実は隠されています。これが抑圧です。
抑圧のメカニズムを理解して、その裏にある認識、感情、隠れた自分を支配する考えなどを明らかにしていきます。話を聞くこと、そして共感すること(他者受容)から、真実をつかみ、互いの共通理解をすることから治療は始まります。先ほど書きましたようにパターンは多くありません。その際自分での病像の理解を自己理解と呼び、その理解が周囲の家族、上司、友人へと広がるときに共通理解、他者理解となります。この部分が、治療の第一歩です。

さらに、病気の生じる時には、同時に認知の仕方にも、ひずみ(すべてをネガティブにとらえる考え方)が生じます。そのひずみの修正が、いくつかの行動療法を含む認知療法と呼ばれる治療手段です。
事実の理解の上で、状況、感情を素直に受け入れることが、自己受容と呼ばれるものです。これが精神的治療の終了の段階となります。

ここで、実際の診療の現場で、相手の方に話している内容を付け加えさせて頂きます。
話の初めに「こころ」の問題を扱ううえで、理解しておかねばならないことを一つ上げて置きます。
それは、「人は、思い込みや先入観なしに他人や物事を見ることができるか」というテーマです。難しく感じられますが、確かにこれは近代の哲学(デカルト、カント、フッサールなど)において、重要な課題だったのです。
しかし、答えは簡単です。「自分の主観でしか物事は見えない」「純粋に客観はあり得ない」という結論です。これは、私たちの判断(認知)の基準を表しています。
わかりやすく言うと、私たちは過去の自分の経験の中でしか、現在や、他人を判断できないのです。「嫌な人にあった」経験があれば、今、目の前にその人に似た印象の人がいると、自分の経験から無意識に類推して「嫌な人」と自然に思い込むのです。ただ、それは自分では気づかない「自動的」な判断(認知)の結果なのです。

私たちは「どのような経験」をして、それを「判断」し、しかも「乗り越えていく」ときに何を「教訓」にしてきたのでしょうか。それが問われます。例えば、幼児期、学童期に家庭で親からの教えられた「経験」は、「教訓」となり、自我の一部として、自分の中で自分を支配します。これが、いわゆる「超自我」とよばれるものです。過去でありながら、いつまでも現在を支配し続けます。(判断は「認知」であり、教訓は「超自我」を形成します。)
ですから、現在の判断のひずみを解消するには、過去からの「判断」、「認知」の整理、再考が最も大事なテーマだと私は思っています。
確かにうつ気分、不安、不眠など、一過性にしかも圧倒的に現在の環境によるストレス(慢性疲労などが原因で来院される方は多いです。)は、簡単な「自己理解」と薬による、「不眠」「不安」などの症状の改善で多くの方が解決します。その場合、治療は一応、そこで終了としてもいいと思います。
それで改善しないとき、過去の経験と自分の判断の基準をもう一度見直す必要が出てきます。特に、過去の自己基準の大きな基礎になりうる、「トラウマと抑圧」「幼児期の家庭環境」「幼児期、学童期の周囲の価値観(自分の超自我に発展)」「持続する嫌な他人との付き合い」「集団のいじめ」などが当てはまります。
治療では、さらに現在の中で記憶の「再確認」や、ときに客観的にとらえうる記憶の「再構成」が必要になります。それは多少、多くの時間を要します。
自分の過去の経験を、再確認する作業が、治療の初めであり、しかも最も重要な治療の過程だと私は思っています。

「こころ」の説明にうつります。
「こころ」とは何かという「問い」かけは難しい問題です。迷路に入ります。ただ、病気や不調の時「こころ」はどのように機能しているという「問い」には、答えがあります。
嫌な記憶、ストレスは、「我慢」の努力により圧力がかかり意識の下、無意識に押し込まれます。すると、意識に上りません。ただ、無意識のなかに長く存在し、似た体験のもとで、「自然に」意識の上に顔を出します。これが、「フラッシュバック」です。押し込むことは「抑圧」であり、それを、維持し続ける「過去の教訓」による自分の思考圧力がいわゆる「超自我」と思ってください。これが、「こころ」の基本の構造です。(抑圧の苦しみは初めに「身体」の異常に現れます。)
そのもとでは、「自分の再理解、認識」さらに「過去からの自分を解放する」ことが治療の方向性となります。
難しく感じられますが、実は、単純なことです。結局「私は常に過去の経験で束縛されている」ことへの理解です。そして、実際にその理解に達すると、症状は改善に向かいます。
この経過が、治療で最も大事と考えています。

治療について
治療のながれ

4.治療のながれ

治療のながれ

治療例A

現在の環境の中で、対人関係、家族、職場、の悩みをかかえるのですが、ある程度の周囲の支えと、気分の転換で改善可能な人の場合(そこは医療の側で判断します)、1回または2、3回の来院で終了となります。万が一具合が悪化したら、また受診してください。

治療例B

環境の深刻さがやや高い、あるいは本人も変えられない困難な事情がある。または、つらい経験が過去の経験や成育歴と状況が重なる場合などがあります。それは、神経の負担となり、実際の事実以上に事態を悪化させます。
軽度から重度まで幅がありますが、お互いの共通理解のもとである程度頻回の適切な複数回のアドバイスを繰り返し行います。
こころの問題は決して神秘的なものではありません。同時に薬や自己理解の援助、自分に戻れる他の方法が必要となります。ただ、不眠など薬のみでいい場合の方も多数考えられます。複数回以上では、簡単な診察の判断と薬だけの人が多くなります。

治療例C

最も時間を要するのは、人間関係の疎外、対立とトラウマ(心的外傷体験)の反復、過剰な無理の適応、圧倒的他者の支配などの連鎖が構成する人格にも影響する傷つきです。多くの時間と、カウンセリングなどの継続的な治療を要します。以前、病院勤務中ではこうした方の多くを担当してきました。これはカウンセラーやスタッフなどの多くの仲間のサポートがあって初めて出来る治療方法です。できる限りの対応は致しますが、私共のような小規模のクリニックでの受け入れが難しい場合は、ご安心いただける病院をご紹介することもございます。

治療のながれ
ひろせ こころのクリニック

999-3729 山形県東根市中央東2丁目6-71
TEL 0237-22-9477 / FAX 0237-22-9478

科目/ 対象症状・疾患

心療内科 不眠、身体痛、食欲不振、慢性的倦怠感、気分低下、過剰労働の疲れ、対人関係の不安、老年期の物忘れ、気分不安定 などこころと身体の関係についての症状
精神科 うつ病、不安性障害、認知症 など
診療時間
9:30-13:00 -
14:30-18:30 - - -

休診日 木曜午後/土曜午後/日曜・祝祭日

ひろせ こころのクリニック

ご予約・お問い合わせはこちら|TEL  0237-22-9477|ご予約の受付は、2018年9月12日から開始いたします