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HSPについて 第5章:産後うつ、HSP、育児ノイローゼの違いについて

産後うつの問題は、いわゆる内因性と呼ばれる「うつ病」の一つです。
急激なホルモンの変化で神経の調整のバランスが失われた状態です。治療を必要とします。
「なんとなくやる気が出ない」「疲れやすい。エネルギーがない」「うれしくない」などが目安です。薬での治療が大事です。

HSPは上に述べたように、幼児期学童期、社会人でも続く「過敏性」「自己不全感」が基本です。すぐには変われませんが。「こだわり」を疑いとそれと距離を置くことです。幼児期からの自分の環境から解放される、自己理解が必要です。
自分は、母親であるという意識が自分を変える原動力だと思って下さい。

育児ノイローゼは、言葉通りの疲れから来る神経の過敏症です。
一人で、育児の責任を負い、不眠の疲れなどからイライラ感。ストレスの高い状態です。
むしろ、全員がノイローゼになりやすいといえます。目標を下げてください。
完全な育児は疲れます。孤独も問題です。何か気晴らし、支えが必要です。
アプリで「見てね」がありますが。自分だけでなく、夫、両親、兄弟、友人で見てもらって、ともに支えあう環境づくりなども大事かと思います。
この時代ですからアプリやメールをうまく活用してください。
孤独が最大の問題ですから。
以上。

皆様の参考になれば幸いです。

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HSPについて 第4章:HSPと子育て

ある雑誌での記事にするために追加した項目です。
参考になればと思います。

まず、HSPの特徴がある場合自分の特徴を知ることです。

・完全を目指さず、「いい加減」であることーそれが実はいいことであるという理解
・周囲でプレッシャーを与えないこと
・夫の理解、サポート
などです。

完全を目指すのではなく、子供が泣くときなぜ泣いているのか、泣き声からミルクが欲しいのか便がしたいのか、甘えたいのかのなどの真の他者理解に気を向けることです。
確かに原因は何かわかるまで時間はかかりますが。そうした視点常に気持ちを持っていってください。
これは、感情、トラウマよりも前頭葉の理性を使う準備と思ってください。

次にはスキンシップです。いろいろ話しかけたりするよりも。短時間でもしっかり抱きしめてあげるほうが子供は安心します。ごろごろしながら、目を配りじゃれつく子供の相手をしているライオンのお母さんをイメージして下さい。

また、自分の中での「思い込み」に気づいてください。「自責感」や「もっとしっかり」という自己の内部の声(超自我の声)」が頭の中にあるはずです。その声にあまり引きずられないことです。親が子供を思うのは自然です。ただHSPのあなたは10割以上に頑張るから力を抜く必要があるのです。

家族との関係ではなるべく自分の意見を押し通して下さい。気を使わないことです。
あなたは母親となりました。誰の気も使う必要はないのです。
なぜなら、母親は子供にとって、家族の中で一番強い、えらい存在だからです。これは動物全体の本能です。そこを理解してください。
ただ対立の構造は避ける必要があります。これは夫の出番です。
夫、父親の庇護、理解が対立のないことでHSP的子供を避ける最大の子育てになります。
夫のこうした理解のためには。時間をかけてください。夫の理解には時間がかかります。
例えば、要点はこのチラシを見てもらうのも方法かもしれません。
いろいろ利用してみてください。
母親は自然になれるのですが、父親になるためには自我の発達の理解、教育も必要だからです。
祖父母は、母親を助けること、それが最善です。自分の経験で孫を囲い込まないよう注意して下さい。

続きは5章に移ります。

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HSPについて 第3章:治療の考え方、その他、重症化としてのトラウマ

症状のレベルで軽いものから重度まで大きな幅があり、対応にも開きがあります。
ただ、基本的にはHSPとしてのそうした自分の生きにくさの真の原因を知ること、自己理解が第一です。家族の中で気を使いすぎてきたこと、その行動様式や価値観をその後学校や社会で繰り返してしまっていることへの自己理解が必要です。

なぜ同じ対応繰り返し続けるのでしょうか。
この時、自分を支配する自分、成育環境のなかで作られた自分、いわゆる超自我の存在に気づくことです。

その問題を考える前に話がずれますがここで先に一度薬の役割を述べておきます。

治療で薬を使うのは、症状を和らげて、脳の過剰な負担を軽減するためです。HSPの人は不安、不眠、意欲の低下、抑うつ気分、イライラなどの症状が生じやすいのです。
症状とは感情や気分が不安定になっていることだと理解してください。薬が感情をコントロールします。
症状があると感情的になり脳の働きが悪く、ネガティブな判断をします。、どう考えても悪い結論になりがちです。薬で症状を和らげると、脳の働きがよくなり前向きの結論、思考がポジティブになります。判断や思考をするための準備のためと思ってください。

HSPの基本にある超自我の問題に戻ります。
私たちは通常、自分の自然な考え方が過剰に抑圧され、当たり前のごとく「気を使わねばならぬ」「こうしなければならない」という強い固定観念に支配されています。これは本当の自分ではなく、作られた別な自分、フロイトのいういわゆる超自我の強い支配が働いているからです。自我は「本当の自己」と環境でつくられた「超自我」の二つで自我で構成されています。
HSPの人は固定観念、超自我に強く支配され、常に超自我は自責や反省の念を強いてきます。
治療の基本はこの超自我からの脱出が大事なテーマとなります。
その一番基本的な方法は、まづ自分の考え方に疑問、疑いを持つこと、これまで当たり前だと思っていることを疑うことにあります。超自我を抑え込もうと自分と戦ってはいけません。疲弊してしまうだけです。
「なぜそう考えるのか」とか疑問を持ち、固定観念の根拠を疑うことです。次に「本当にひつようなのか」「考えなくていいのでは」など自分との対話の中で少しずつ超自我に距離を置いていくことが必要になります。共存しながら距離を置くことで超自我から少しでも解放されると過剰な抑圧的考え方が減り、楽になっていくとおもってください。
超自我のコントロールは通常自分の生きる当然の原則や義務として頭の中に存在しています。ですから、超自我を否定することは自分を見失うように思われますが、抜け出すと自由な自分を見つけ出すので安定してきます。
超自我は頭の中にいるイメージです。頭の中が締め付けられるように支配されています。一方自分の自然な自我、(心とよんでもいいと思います)は胸に投影されているように感じられます。胸を意識してください。

HSPによる症状の重症化の場合を考えてみます。

HSPによる過敏性によるいろいろな体験が社会で拡張して人間関係の傷つきやすさから重症化するとトラウマや心的外傷に発展している場合があります。
トラウマそのものは人間の再度の危険を避けるための記憶装置であり、フラッシュバックなどの意志で超えられないおおきな後遺症状がみられます。

トラウマと直接戦うことは困難です。
その理由を脳の働きから考えてみましょう。
基本的な思考や理性の活動の部位は前頭葉で、ある程度自分の意志でコントロールできます。
しかしコントロールできない部分があります。側頭葉の活動です。
いやな記憶の再現やフラッシュバックなどの症状は両側頭(偏桃体の部位)から出ます。
前頭葉などの人間の意志のコントロール外の活動のためにそれを理性でコントロールできず、長く苦しみます。

治療薬を使用しますが、対応が難しいのです。ただフラッシュバックには一定のピークがあるので、自覚してピークが過ぎるまでやり過ごす構えが役に立ちます。戦わないことです。うまく共存する対応が必要です。

ただ根本的にはトラウマの源から遠ざかるか避けるしか方法はありません。
対象と会わないという安全保障が必要になります。
体調の管理も大切です。脳は体の臓器の一部です。過労や不眠などで機能が悪くなります。
不眠の改善などは最も重要です体調を改善してから考えることです。
さらに。脳の固定観念、超自我の機能を使うことを避け心の機能「やりたいことはやる、やりたくないことはしない」など素直な自分の感情に耳を傾ける必要があります。「気ままに考える」でいいのです。

少しずつ自己理解できると感情や思い込みに振り回されず、理性が働き、多少ブレーキを掛けられるようになります。

まとめると過去からの自分と現在の自分を分けていく作業であり、時にトラウマ(過去が現在に侵入する)そのものの治療と似てきます。
その後、症状に合わせて、「超自我」―作られた自分からのさらなる解放が必要です。
自分の中でも少し距離を置く工夫などです。束縛から解放される必要があります。
自分の感情が解放されるためには、やらねばならない。しなければならないことにこだわるのではなく。「寝たければねる、食べたければ食べる」気ままな姿勢が必要です。
また,正の感情―楽しい。ほっとする、気持ちがいい、おいしいなどの感情をなるべく多い行動をとることです。(認知行動療法的に)体調を整えて、脳の働きをポジティブにすることも大事です。
症状によりますが、薬の使用は補助的に体調を整え、疲れたネガティブな脳の働き、理性を回復するために使います。

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HSPについて 第2章:HSPとは何か、HSPの理解

家庭の環境因に関して医学的には母子関係の障害であるボウルビィの「愛着障害」の概念、さらに最近では、機能不全家族などが代表として挙げられます。
しかしその場合の環境因は機能不全家庭のように強い愛着の障害、愛情の欠損を起こす離別や暴力、虐待などの過酷な家庭崩壊が基本にあるといえます。その場合解離性障害や人格障害の病名が示す如く強い症状を呈します。

そうした厳しい環境を原因とする人とは別に通常に見える家庭環境の中でHSPと自覚する人の中が外来に多くいます。
HSPを理解するにはむしろ正常に見える通常の家庭の中をさらに注意して見てみることになります。
特に臨床の現場で得られる外来の多くの患者さんの例は、家庭内での原因の問題をもっと別な視点から考えることの必要性を教えてくれます。
また、家庭環境の問題を家庭の面から考えると特に特異性はありません。
そこで、患者さんの特徴から定義を考える必要があります。

通常過敏性だけを主訴に外来受診する患者さんは少ないです。病名としてうつ状態、不安症、適応障害。慢性疲労。自律神経失調症、など多彩な症状や病名で受診する外来の多くの患者さんたちの中から過敏性の自覚。家族構成やその関係性。自己理解を確認するとHSP的過敏性の症状の自覚して訴える人が非常に多く、さらに大事な点は彼らには家庭内での過剰適応という共通点があります。
この共通点とは何でしょうか。
結論的にはHSPの最大の問題は、幼少期から続いている「通常に近い、しかし多少ひずみのあるささいな家庭環境因への本来正常な過剰「適応」が、逆に将来、過敏性という形で社会への不適応をつくるという「パラドックス」にあることが見えてきます。適応と凝縮。均一性を求める日本社会の圧力が家庭内にも無言の影響を及ぼしているともいえると思います。

そこで次に家庭内適応のテーマに関して考えてみます。育った家庭の環境の問題が基本ですが、機能不全家族などの言葉にみられる激しい家庭内の対立や暴力、依存症や育児放棄や虐待などの外からも見える家庭内のトラブルほど大きな問題はありません。日常的に問題ないと思われる通常の普通の家庭の中に潜む小さな問題が大きな意味を持つのです。
機能不全家族とは時に程度の差かもしれませんが、そこでは常に幼児期の家族内の通常にある人間関係が問題になります。共通するのは、家の中に祖母と母親の間、両親の間などに些細な対立や軽い争いがあることです。さらには少数ですが強い父親の態度や母親の強制など服従の種があることです。
家庭内で通常的にもよく見られる当たり前に近い軽いひずみや対立のある時、子供はどのように家庭に適応するのでしょうか?
その場合ほとんどすべての子供、特に女の子は、家庭。居場所を大事にしようと考えます。動物としての子供の本能に導かれるように家の中で対立を解消するために両者に気を使います。程度の差はあれ、自分のためではなく家庭の環境を良くしようと努力します。その際「手のかからないいい子」「家の中で明るい種を作るために勉強や習い事で努力する」「明るい話題」「対立するどちらにももめないように気を遣う」などの役割を演じます。結局「家庭を壊したくない、親の期待を裏切りたくない」のです。

自分のわがままや言い分は我慢し、不満や甘えは抑圧されます。自己の意見を失うのです。
こうした状況は、一見どこにでもある風景で病的な印象でないかもしれません。そうした自我の特徴を表す病名もありません。しかし、その我慢の程度が強いと成長して大人になっても学校や職場でも家庭での役割と同じく周囲に気を遣う役割を無意識に常に演じて無理をしてしまいます。「NO」といえない、生きにくいつらさがあります。結局常に人に気を遣う、緊張間の高いHSPとして行動してしまうのです。
この際同時に自我の未熟さがみられます。人格の形成の幼児期から人に気づかいしすぎることで自然な自我の成長が妨げられてしまいます。幼児性とトラブルに対しての脆弱性が見られます。強く反応してしまうのです。機能不全家族にみられる、人格障害などの重症の障害ではありませんが、軽いひずみがあります。
また、自我意識として共通に「自分はダメな人間だ」「役に立たない子供だ」と家庭内で(家庭を守る生物としての本能に導かれるように)自分を過小評価して暗い気分に襲われます。
可愛がられ、甘えたり、わがままを言ったりする成育過程から得られる自我の自然な成長や自己肯定感を妨げられます。自分の努力にもかかわらず、育った家庭内は変化しないので、自己否定の感覚が強くなるのかもしれません。この感覚はあたかも動物的な本能の強制であるかのように子供自身を強く束縛します。言葉を変えれば作られた超自我による強い支配があるとも言えます。自分らしさ、自分の居場所は失われ、人目を気にしながら生きる窮屈なつらい人生が始まります。

自己の過小評価の程度が強いと。いわゆる「リストカット」などの自分を責め傷つける自傷行為などが発生します。切ることで安心するのです。自分を追い詰めて圧迫から解放されるといえます。これはヒステリー的に人に訴えるためではありません。
逆に、「リストカット」を見たら、幼児期からの軽い不安定な家庭、(時には機能不全家族とよばれるような機能を消失した家庭)で無理を重ねて適応してきたと判断してほぼ間違いありません。

以上まとめると
HSPにはその結果二つの大きな特徴、共通点が生まれます

1,対人関係に気を遣う。相手の機嫌を損なわないように努力する
2,自己評価が低い

1の特徴が学校や職場でも続き。対人関係に気を使い、人の機嫌を損ねないようにNOと言えない自分が生じること。また怒鳴り声や対立におびえ過敏で常に周囲に気を使っています。そうした自分に疲れています。
幼児期からの自分の家庭内での適応性を同じように、学校や会社で繰り返して気を使いかえって不適応を起こしている状態にあるという理解です。
HSPの人は非常に素直な、いい人で。仕事にも努力します。しかし、結局無理を重ねて体調を悪くする人や人間関係でいじめ、過剰な気遣いや、対立に弱く、緊張感が強く疲れてしまう人などが多くみられます。

2の特徴もほぼ全員にみられます。ある意味で甘えてわがままに育てず、家族のために無理して適応して生きているので、親や他人から認められる、褒められる機会が少ないこと、また、結局自分が努力しても家族の関係が変わらないため「自分は役に立たない子供だ」「生きている資格がない」と強い自責感、うつが生まれ、時に悪化すると自傷行為(リストカット)が生じます。
こうした共通して認められる特徴の理由を考えると、「子供の本能」という理屈を超えた生物としての基本に由来しているからと考えるのが正しいと思います。

重なりますが、HSPの診断は比較的容易で
◎自覚症状として、生きにくさや疲れを感じる、対人関係に非常に気を遣う、うつになりやすい、生きる意味が分からない、苦しいほど完全壁、怒鳴り声や人の争いが怖い など
◎自分を責めやすい、常に自分が悪いと自責感にかられる
◎人に認められるために無理な行動をしやすい
などの自己分析です。
HSPのどこからが病的であるかは、本人の生きにくさと周りの気遣いの程度で決まります。
重症化してクリニックに来るときは、大まかにはトラウマ、オーバーワーク、うつ状態などの問題で来院されます。
そうした治療については3章に移ります。

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HSPについて 第1章:Highly Sensitive Parson―過敏な人 総論

HSPという言葉を知っている、あるいは聞いたことがある方は特に女性において非常に多いと思います。外来でもよく質問されるし、こちら側(私の側)で使用してもほとんどの方がその言葉を知っています。自分は「HSP」であるといわれる方も非常に多いです。しかし逆に「過敏な人」というイメージ以上に具体的にその概念や病因に関して、ある程度の知識のある人は圧倒的に少ないといえます。
HSPの概念はアメリカの心理学者エレインアーロンの観察、治療から導かれたある意味であいまいさの強い用語です。ですから世間的に病気なのか、体質なのか性格の傾向、特徴なのかと混乱をきたしやすいといえます、また用語そのものが異常と正常の差がつきにくい幅の広い概念であるため医学の領域ではそれほど研究の対象になってきませんでした。
このブログではHSPに関して、医学の領域から何回かのシリーズに分けて考察し、よりHSPの概念を深め、検証を進めたいと思います。

初めに心理学の領域から問題を成書から整理しましょう。
そこではHSPに関する定義,成因、病気そのものに混乱があります。
以下のA.Bの二つです。

A、HSPの原因として、発達障害(自閉症スペクトラム障害)に基づく体質的な病的過敏性の概念と、さらに性格、成育歴や環境因が原因と思われる一般的な過敏性概念の2種類の概念が混同されていること。

B、後者のように環境因や成育歴をHSPの原因であるという立場に立つて考えるとき、その原因となる成育歴、環境因に大きな異常や特徴が見出しにくいことが挙げられます。これまで母子関係を中心とする家庭環境を原因とする子供の症状には愛着障害や複雑性PTSD、機能不全家族という概念があります。しかしこれらは、離別や虐待などの強い負因が中心で。症状も重くHSPであるという訴えは少ないといえます。実際に外来で見かけるHSPを訴える人にはそれほど大きな母子関係。家庭環境のひずみが見出せない場合が多いことです。
またさらには、素因と呼ぶべき過敏性の体質を示す所見はありません。

この問題を整理しながら、なぜ圧倒的に多くの人がHSPという言葉を使い、用語が広がるのか再検討が必要になります。

数字や画像に出ない問題を考察、検討するとき。必要なものは臨床的患者さんの情報の整理です。そうした情報の整理から一定の結論を導き出す研究はナラティブ的手法と呼ばれます。
ここでは、ナラティブな手法でHSPの問題を再整理し、どのようにとらえるべきか考察し同時にHSPの人の治療的自己対応についても考えてみることにします。

まず、HSPの人(過敏性の高い人)の自らのべる一般的特徴について長くなりますが列挙してあげておきます。

・人の顔色が常に気になる
・人と話すことに気を遣う
・怒らせるのが怖い
・人から嫌われたくない
・対人関係の不安を克服できない
・人の態度に過敏に反応してしまう
・自分の意思がわからない
・コミュニケーションで緊張する
・他人への対応で反省会をしてしまう
・何のために生きているのかわからない
・自分が悪いとせめてしまう
・NOといえない
・人と会うと疲れてしまうなどです

こうした症状は、大変多くの人が訴えますが、確かに過敏性と呼ぶ以外に特定の病気の特徴を示さない非特異的症状です。

ここで先ずHSPという概念を混乱させるAの理由を成書で考えてみます。
非特異的症状のために、過敏性という言葉で「発達障害の体質的過敏性」と「環境因由来の過敏性」の両者が混同されています。しかし細かくみると両者は社会性や過敏性の質に大きな差があります。発達障害は「空気の読めない人たち」であり、非社会的な自閉症スペクトラムとしての「知覚の過敏性」を有します、一方「空気を読みすぎる」環境因由来の人たちは、対人関係に気を使い、「対人過緊張に基づく過敏性」がみられます。社会性に気を使いすぎる過敏性です。両者は同じように過敏性と呼ばれても、ともに全く異なる種類の病気と理解してください。

HSP概念の最初の提唱者であるアメリカの心理学者のエレインアーロンの本の中でも両者が混同されています。ただ詳しくみると彼女の提唱したHSPの概念は発達障害寄りであるといえます。一方日本の研究者は概念が環境因寄りと言えます。これは国民性、患者さんの量の差が関係しているかもしれません。
発達障害による過敏性はHSPではなく、発達障害の随伴症状としての過敏性と分類理解されるべきです。

過敏症状をもう一度まとめ分類すると以下のように分けられます。
① 光や音に過敏(知覚の過敏)
② 社会的な対人関係での過敏(環境因の過敏さ)

この二つの過敏性の中で1の要素が中心であれば自閉症スペクトラム、発達障害。2が中心であればHSPに近いとおおざっぱにですが分類することが可能であるといえます。

次に、大きな問題となる環境因Bとはいったいどのような環境なのでしょうか?

ひろせ こころのクリニック

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心療内科 不眠、身体痛、食欲不振、慢性的倦怠感、気分低下、過剰労働の疲れ、対人関係の不安、老年期の物忘れ、気分不安定 などこころと身体の関係についての症状
精神科 うつ病、不安性障害、認知症 など
診療時間
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